なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいのか(9)-授業担当者以外の役割-


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おはようございます。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

講師生活を20年近くやっていますが、

いまだに「もっと授業がうまくなりたい」と思い、

様々な勉強をしております。

その中でも私が大事にしてきた教えが「守・破・離」です。

これは塾の先生だけでなく、すべての仕事に当てはまる教えかもしれません。

・「守」・・・師匠の教え通りに自分のアレンジを入れることなくそのまま行う

・「破」・・・師匠の教えを守りつつ少しだけ自分のオリジナルをいれる

・「離」・・・師匠の教えはベースにあるが、完全に自分のオリジナルにする

しかし、私は「離」の後、もう一度「守」に戻り、常に原点を確かめています。

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■授業担当者以外の役割

授業がうまくなるためには、「授業担当者以外の役割」が非常に重要です。

授業がいったん始まると、教室という空間には「授業担当者と生徒」しかいません。

つまり「第三者」がいないのです。ですから、その空間は「授業担当者の舞台」となってしまいます。

自分の授業力を上げるためには、客観的な評価ができる授業担当者以外が必要なのです。

簡単に言えば、「授業見学をしてもらう」のです

(1)授業見学の仕方

授業見学にもやり方があります。

ところが授業見学のやり方を伝えていないところも多いです。

1. 極力、違う科目の先生が見学する

2. 生徒の表情をできるだけ確認する

3. 授業のストーリーをつかむ

この3つが大きなポイントとなります。

(2)違う科目の先生が見学する

違う科目の先生が見学するメリットは、「分かりやすいかどうか」がすぐに理解できることです

例えば、英語の授業を理科の先生が見学するとします。

理科の先生の中にも英語が得意な方もいますが、ほとんどは英語が苦手です。

そうすると、苦手な理科の先生でもその英語の授業が理解できるかどうかが分かるのです。

「英語が苦手な私でも、君の英語の授業が理解できた」

「子どもと同じように、英語が楽しめた」

と言ってもらえれば合格です。

(3)生徒の表情をできるだけ確認する

授業見学をしている様子を見ると、ほとんどが「板書を写す作業」に没頭しています。

そして、見学後は「板書」についてのコメントが多いです。

もちろん授業担当者が1年目や2年目ならば板書のアドバイスは貴重ですが、

それ以上に重要なのは、

・子どもが主体的になっているかどうか

・子どものモチベーションが上がっているかどうか

を見ることが大事です。

授業がうまく行っていない講師の授業は、そのほとんどが上の2点が欠落しています。

それなのに「板書」がどうのこうの、「声の大きさ」がどうのこうの、とコメントしても、

授業は改善されません。

(4)授業のストーリーをつかむ

授業には「ストーリー」があります。

80分の授業にも「テーマ」があるのです

私は「テーマ」を「山場」と呼んでいますが、

見学をしながら「山場」が何か、どうやって「山場」を作っているのか、

「山場」に来た時のクラスの空気の変化、などを見てあげることです

おもしろくない授業には「ストーリー」や「山場」はありません。

私が授業をする時は、以下のように考えます。

1.今日の授業のテーマは関係代名詞thatと同格の接続詞thatの違い

2.だから、授業の冒頭にthatを使った英文の和訳練習をさせよう

3.和訳練習を通じて子どもたちに気づかせるために、次のような発問をしよう

「このthatの役割は何?」

4.おそらく子どもの中でも数人が答えるが正解率は低いだろう

5.次にこんな発問をしよう

「thatの後ろを見て、何か気づかない?」

6.ここで先ほどよりも多い子が何かに気づくだろう

7.そしてthatの違いを板書しよう

8.さらに数問やらせてみて、自分で見分けられるかどうかにチャレンジさせよう

9.答え合わせで自信を持たせよう

10.最後に入試問題を扱って達成感を持たせよう

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