なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいのか(10)-誰を当てるか、なぜ当てるか-

おはようございます。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

私は極度のコーヒー中毒です。

しかも、豆を買って自分で挽いて飲むくらいです。

さらに、ブログ(http://ameblo.jp/kingblend/)で知り合った焙煎士さんから豆を買うようにしています。

そこの豆はとてもこだわりがあり、また毎回、コーヒー豆と一緒にコーヒーに関するちょっとした説明も同封してくれています。

だから、山口焙煎士からコーヒー豆を買います。

あなたにも「この店で買う」「この店に行く」というようなこだわりがありませんか。

しかも、その「こだわり」には「理由」があるはずです。

これは授業で「誰を当てるのか」「なぜ当てるのか」とも同じなのです。

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■誰を当てるのか、なぜ当てるのか

私は今でも入社当時の研修で言われた言葉を覚えています。

「なぜ、あの子を当てたの?」

私は「えっ」と思いました。

そもそも「人を当てる」という経験はありませんでした。

せいぜい、学校の先生に「当てられる」くらいでした。

小学校や中学校の時には、

・出席番号順で当てられる

・教室の左端の前から当てられる

・日付が17ならば、出席番号17番から当てられる

などが強く印象に残っている当てられ方でした。

だから、「適当に当てればいい」という感覚でした。

(1)誰を当てるのか

現在は主に高校生、大学生を相手に指導していますが、授業で積極的に挙手する子はほとんどいません。

これは大人相手にセミナーをやっていても同じです。積極的に手を挙げる大人はほとんどいません。

しかし、授業は「相互コミュニケーション」、分かりやすく言えば「会話」です。

私が一方的に話していても仕方ありません。

【当てることで得られる効果】

・きちんと内容が理解できているかどうかの確認

・授業への参加意識の確認

・授業中の緊張感の演出

・集中力が切れかけている生徒の救済措置

・生徒生徒自身が考えるチャンス

では、私は誰を当てるようにしているのか。

最終的には「全員」を当てますが、当てる際にもいくつか演出をします。

 ① 比較的簡単な問題 ⇒ 学力が厳しい子、または、学力が高い子

 ② 比較的難しい問題 ⇒ 学力が高い子、または、学力厳しい子

 ③ 発想力が問われる問題 ⇒ 普段からクリエイティブな思考をする子

 ④ 集中力が切れて眠りかけている子

 ⑤ 私のことをあまり気に入ってくれていない子

では、その理由を次に説明します。

(2)なぜ、当てるのか

 ① 比較的簡単な問題

机間巡視をした時に、真っ先に学力が厳しい子のもとの解答をチェックします。

比較的簡単な問題なので、ある程度説明で「誘導」をしておきます。

だから、学力が厳しい子でも正解する確率は高いです。

そこで「学力が厳しい子」を当てます。

【理由】学力が厳しい子に「自信」を持たせるため

しかし、「学力が高い子」にも当てます。その時は、「解答が間違っている」場合です。

【理由】自分の足元である基本をしっかりと見直しさせるため

 ② 比較的難しい問題

こちらも机間巡視をします。そして「学力が高い子」を当てます。

【理由】さらに自信をつけさせるため

しかし、敢えて「(偶然でも)正解している」学力が厳しい子を当てます

【理由】①以上に達成感が得られ、自信が得られ、モチベーションが上がるから

 ③ 発想力が問われる問題

これは普段からクリエイティブな思考をしている子に当てます。

この子たちは一般的に間違うことを恐れません。

しかも、不正解の場合でも「笑い」がとれる答えを発することが多いです。

また、不正解でもそれがヒントとなって話が膨らんでいきやすいです

 ④ 集中力が切れかけている生徒の救済措置

【理由】当てることで自覚するから

 ⑤ 私のことをあまり気に入ってくれていない子

【理由】当てることで、距離感を縮めたい気持ちがあります。

恐らく、当てても答えてくれません。しかし、それでもいいのです。

「目を合わせる」「名前を呼ぶ」それがきっかけとなって状況が変わるからです。

その子とコミュニケーションがうまくいかなくても、親や友達のような第三者からの協力で

関係改善が図られるからです。ただ当てる時は全エネルギーを消費するほど気を使いますが。

なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいのか(8)-授業以外でのコミュニケーション-

おはようございます。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

昨日はあるお店で携帯電話の新たなプランの説明を受けましたが、

全く理解できない説明でした。

店員さんは自分の言いたいことだけを言って、

こちらの状況を理解せずに、ただ「お安くなりますよ」

と言うばかりです。

私はCというプランに加入しているのに、

まるで私がAのプランに入っていると思い込んで、

「最大で2000円の割引です!」

と力説しています。

私の実情に合っていない上、

紙に書きながら説明せず口頭での説明ばかりでしたので、

うんざりしました。

■授業以外でのコミュニケーション

あなたも上記のような説明をしていませんか。

生徒とコミュニケーションをとっているようで、

コミュニケーションが取れていない、そんなことはありませんか。

・生徒の心の声に耳を傾けていますか?

(1)「聞く」に徹する

先生は職業柄「しゃべりたがり」が多いです。

そして「自分が言うことが正しいのだ」と勘違いしている先生も多いです。

しかし、正しいのは「聞く」ということです。

生徒の話、保護者の話に共感することが大事であり、

生徒や保護者が自ら「解答」を見つけられるようにしなけばなりません。

そう、あなたは「サポーター」です。

(2)塾以外の時間に目を向ける

人はどうしても「見えている時間」を大切にします。

しかし、週に2回、1回3時間ほどしか滞在しない生徒の何をあなたは知っていますか?

・「塾に来ていない時間」に目を向ける

・あなたが「見えていない時間」に目を向ける

それが大事なのです。

・部活、遊び、趣味、学校・・・

例えば、いつも元気な子がとても暗い表情で塾に来た場合、

能力のある講師ならばその「違い」に気づき、声をかけます。

普段から「違い」を意識しているかどうかです。

私は入社当時、ある先輩から「髪型、服装もチェックしろ」と言われたくらいです。

(3)見守る

あなたが直接授業をしていない、またはその子を教えていないと仮定します。

それでも、その子は「あなたの塾の生徒」です。

たとえ教えていなくても、「わが子」と思えるかどうかです。

そしてその子に「あなたという存在」を知ってもらわなければなりません

では、どうするのか。

とても簡単です。

「元気?」

「勉強は順調?」

「(自分が担当していてその子に教えていない科目について)○○は大丈夫?」

「コンクールで優勝したんだって?すごいね」

「○○先生が、『頑張っている』って言っていたよ」

と声をかけてあげたり、

授業前に教室に入って行って特に何もせずに教室内をぶらぶらしたりするだけでも、

「あなたという存在」がきちんと伝わるのです。

子どもは「この先生も、あの先生も私のことを気にかけてくれている」

と思うでしょう。

これが「面倒見の良い塾」だと私は思います