授業観を明確にすることが生徒の成長を促す

新年になって、再度「授業観」について考え直したいと感じました。

(1)授業観とは?

 

授業観とは、「どういう目的で授業をするのか」ということです。

これは、「私自身がどういう思いで生徒・学生の前に立っているのか」ということです。

(2) 私の授業観

カリキュラム〈 成長=気づき⇒行動⇒喜び

これが、私の「授業観」です。

 

■カリキュラム優先ではない

 

カリキュラムを優先するよりも、「今、目の前の生徒・学生たちに必要なことを提供」する。

「本当は、ここまで進みたいんやけど」ではなく、「ここで、このことをしっかりと伝えなければ」という思いを優先します。

■授業は「成長のきっかけ」

授業ですべて教え込んでしまうのはよくありません。

 

「教え込む」のではなく「考えさせる」、「考えさせる」だけでなく「気づかせる」。

なんでもかんでも説明すれば良いわけではありません。

生徒・学生自身に説明させれば良いのです。そういう場面も必要なのです。

「伝える」のではなく、「伝わる」授業

そして、授業が終わった後、全員が「やるべきことが分かっている」「なぜそれをすべきかが分かっている」「何が足りていないのかが分かっている」、この状態を作り出すことが必要です。

なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいのか(8)-授業以外でのコミュニケーション-

おはようございます。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

昨日はあるお店で携帯電話の新たなプランの説明を受けましたが、

全く理解できない説明でした。

店員さんは自分の言いたいことだけを言って、

こちらの状況を理解せずに、ただ「お安くなりますよ」

と言うばかりです。

私はCというプランに加入しているのに、

まるで私がAのプランに入っていると思い込んで、

「最大で2000円の割引です!」

と力説しています。

私の実情に合っていない上、

紙に書きながら説明せず口頭での説明ばかりでしたので、

うんざりしました。

■授業以外でのコミュニケーション

あなたも上記のような説明をしていませんか。

生徒とコミュニケーションをとっているようで、

コミュニケーションが取れていない、そんなことはありませんか。

・生徒の心の声に耳を傾けていますか?

(1)「聞く」に徹する

先生は職業柄「しゃべりたがり」が多いです。

そして「自分が言うことが正しいのだ」と勘違いしている先生も多いです。

しかし、正しいのは「聞く」ということです。

生徒の話、保護者の話に共感することが大事であり、

生徒や保護者が自ら「解答」を見つけられるようにしなけばなりません。

そう、あなたは「サポーター」です。

(2)塾以外の時間に目を向ける

人はどうしても「見えている時間」を大切にします。

しかし、週に2回、1回3時間ほどしか滞在しない生徒の何をあなたは知っていますか?

・「塾に来ていない時間」に目を向ける

・あなたが「見えていない時間」に目を向ける

それが大事なのです。

・部活、遊び、趣味、学校・・・

例えば、いつも元気な子がとても暗い表情で塾に来た場合、

能力のある講師ならばその「違い」に気づき、声をかけます。

普段から「違い」を意識しているかどうかです。

私は入社当時、ある先輩から「髪型、服装もチェックしろ」と言われたくらいです。

(3)見守る

あなたが直接授業をしていない、またはその子を教えていないと仮定します。

それでも、その子は「あなたの塾の生徒」です。

たとえ教えていなくても、「わが子」と思えるかどうかです。

そしてその子に「あなたという存在」を知ってもらわなければなりません

では、どうするのか。

とても簡単です。

「元気?」

「勉強は順調?」

「(自分が担当していてその子に教えていない科目について)○○は大丈夫?」

「コンクールで優勝したんだって?すごいね」

「○○先生が、『頑張っている』って言っていたよ」

と声をかけてあげたり、

授業前に教室に入って行って特に何もせずに教室内をぶらぶらしたりするだけでも、

「あなたという存在」がきちんと伝わるのです。

子どもは「この先生も、あの先生も私のことを気にかけてくれている」

と思うでしょう。

これが「面倒見の良い塾」だと私は思います

なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいのか(6)-教材の作り方-

 

こんにちは。WEST-TOTAL-EDUCAIONの西です。

この仕事に限らずどのような仕事でもそうだと思いますが、

どうしても世間が狭くなってしまいます。

会社の人との付き合いはあっても、なかなか他の人との付き合いがありません。

自分の授業の魅力を引き立たせるには、自分そのものを磨く必要があります

そのためには積極的に外で出て新たな知識を吸収することも大事です。

いろいろな世界を持っていることで、

子どもたちにその情報を提供でき、

子どもたちもさらに考えることができるからです

幸い、私はプロ講師であるとともに、

「話し方セミナー」「目標設定セミナー」「行動計画セミナー」

を開いていますので、多くの業界の方と出会えます。

そこでお聞きする話には授業で役に立つネタが満載です。

■教材の作り方

話がかなり横道にそれてしまいましたが、

専門性を高めるには縦にも横にも広げていかなければならないと思います。

さて、前回は「教材の使い方」の話をしました。

今日は、「教材の作り方」です。

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(1)塾専用教材がある場合でも・・・

塾には市販されていない「塾専用教材」があります。

塾専用教材を使う場合はもちろん塾内の担当者がそれを精査して納入しています。

それが末端の教室に降りてきた場合、よく起こるのがミスマッチです。

「どうしてこの教材?」

だからこそ、担当者と末端の教科担当者とのすり合わせが必要になります。

実際に授業を担当する講師は付随のプリントを自作するでしょう。

この自作プリント、もしあなたが教室の責任者ならば、講師任せにしていませんか

(2)教材の作り方

先ほどの「自作プリント」を含め、教材を独自に作成する場合についての私の考え方について述べます。

①自作プリント、独自教材は本当に必要なのか

スタートはここからです。

そもそも「自作プリント」「独自教材」を作ることに喜びを見出している講師が多いです。

「本当にその教材は必要ですか?」

特に塾専用教材と教科書とノートがあれば、自作プリントの90%が不要だと私は考えています。

例えば、中学校の英語で新しい文法単元を指導すると仮定してください。

1.型(公式)と訳し方の紹介

2.例文の説明

3.演習問題

これが新単元の主な流れです。

次に自作プリントを入れてもいいですが、私ならばもっと違うことをします。

それは「ゴール」設定がそもそも違うからです。

私のゴール設定は高校入試でも大学入試でもありません。

「使える英語(発信力のある英語)」です。

だから・・・

4.演習問題の音読

5.演習問題の暗誦

6.演習問題の単語を一部変えて英作文

ここまでやります。塾専用教材とノートがあればできることです。

もっと日本の将来を考えないと、もっと英語教育を考えないと!

②独自教材を作る方法

特に大学入試を専門とする場合、集団クラスでは塾専用教材を使わずにプロ講師に一任されることが多いです。

私もこの春から塾で7クラス、高校で7クラス、大学・短大(こちらは英語ではありませんが)5クラス担当します。

そのうち16クラスは独自教材にしなければなりません。

A 逆算型

私が教材を作る場合(英語に限りますが)、「逆算型」です。

例えば新高3生の長文読解のクラスを持つと仮定します。

1.クラスの現状と将来の把握

これが、まず最初にすることです。

ある程度の予測も入りますが、以下のことを考えます。

「国公立志望が多いのか」

「難関私立志望が多いのか」

「中堅私大志望が多いのか」

「センター試験を受けるのか」

「公募推薦が多いのか」

途中で増えることも多いので、最終的には「難関私立志望」で設定をします。

国公立志望をする子には別途、課題を配布します。

今の私立大学を受ける生徒はセンター試験を併用ことも多いので、センター対応型にもしておきます。

2.期間と内容の設定

・翌年1月19日~31日「私立直前対策」・・・志望校別私立大対策

・翌年1月1日~16日「センター直前対策」・・・センター内容

・12月・・・「センター対策」

・11月・・・「私大800語~1200語長文対策」

・10月・・・「公募推薦対策」

・9月・・・「私大600語~800語長文対策」

・8月・・・「センター・私大(~600語)長文対策」

・6月~7月・・・内容一致対策

・4月~6月・・・精読演習

こんな感じで決めていきます。

3.テーマの設定

長文を扱うにしても、設問の種類はバラバラです。

・内容一致

・適語補充

・和訳

・整序

それぞれの時期に合わせて問題をチョイスしていきます。

4.問題の配列

「基礎⇒標準⇒応用」と並べることが多いですが、

受験直前期となると「応用⇒標準⇒基礎」に変えることもあります。

後者の方が、「達成感」が得られやすいからです。

ただし、後者にするかどうかはそのクラスの状態を見て最終的に判断します。
上記以外にも、いろいろと考えなければならないことがありますが、

とにかく「準備」「分析」「時間」が必要です。

なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいのか(4)-先生の明確な方針-

 

こんにちは。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

この春から新しい場所で新しい生徒たちを教えることになります。

教育の現場でなくても、この春というのは心機一転の時期ですね。

新卒の場合ならば新たな職場、小学校6年ならば新たな中学校、など

ワクワクドキドキですね。

私も、

「どんな生徒がいるのだろう」

「生徒はきちんと聞いてくれるのかな」

といろいろと空想します。

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■先生には明確な方針があるか

私は、常にこう考えています。

「1回目の授業、それも始まる前の5分と始まりの5分がポイント」

(1)「1回目の授業」の大切さ

ほとんどの先生は「1回目の授業」が大事だとおっしゃいます。

私も同感です。

他の先生も同じだと思いますが、私は1回目の授業を使ってかなりオリエンテーションの時間を作ります。

もちろんカリキュラムとしてしなければならないことがありますが、

それ以上に「伝えなければならない」「共有しなければならない」ことがあるからです

では、何を伝えるのか?それは、

「授業の目的」

「授業のルール」

です。

(1-A)授業の目的

私は、必ず「授業の目的」を伝えます。

「1年後はこんなふうになっていてほしい」

「私の授業を受ければこんなふうに変わる」

「私がこの授業にかける思い」

「生徒たちの夢や目標の確認」

などを確認します。

台本はあらかじめ授業の前日までに作っておきますが、

当日はカンペなどは見ません。生徒一人一人の顔を見ながら、話をします。

(1-B)授業のルール

また、「授業のルール」についても説明します。

塾統一の方針があればそれも併せて伝えますが、

私の授業のルールについても明確に伝えます。

このルールについては、生徒たちが忘れないように「書面」にして配布します。

「遅刻・欠席について」

「宿題について」

「小テストについて」

「授業を受ける姿勢について」

過去の具体的な事例を挙げながら、しっかりと伝えます。

要するに「私の授業の基準」を伝えます。

そして、いったん設定した基準は絶対にブレないようにします。

例えば、「小テストは満点合格。満点でなければ居残り再テスト」

と伝えれば、必ずそのルールは最後までやり抜きます。

途中で「1問ミスなら許す」なんてことはしません。

あくまでも授業の主導権は「先生」です。

「生徒が主役」なのは理解できますが、主導権は先生にありますから。

主導権を生徒にとられたら、いわゆる学級崩壊です。

だから先生には綿密な計画と強靭な信念が必要です。

生徒に迎合しすぎる先生など実力ははっきり言って「ない」です。

(2)「始まる前の5分と始まりの5分」が一番大事

「始まりの5分」を大切にしている先生はたくさんいます。

しかし、「始まる前の5分」を大切にしている先生の数は圧倒的に少ないはずです。

(2-A)始まる前の5分

私は、特に新規のクラスを持つ場合は、「5分前」に教室に入ります。

そこで生徒の様子をしっかりと観察します。

・ギリギリに来る生徒は誰か

・クラスを牛耳っているのは誰か

・誰と誰が仲良しか

・一人でいる子はいないか

・あらかじめ聞いていた情報とのすり合わせ

・クラス全体が明るいかどうか

・知らない先生にもひとなつっこく話しかけてくる生徒は誰か

・「よーし、始めるぞ」と言った時に、生徒はすぐに着席するかどうか

このあたりをしっかりと確認します。

(2-B)始まりの5分

そして、1回目の授業が始まると最初の5分ですべきことがあります。

・出席確認

・配布物の配布と氏名の記入

・授業が始まっているのに私語をしている生徒がいないかどうかの確認

・黒板やホワイトボードが見にくい生徒がいないかどうかの確認

・筆記用具を忘れていないかどうかの確認

これらが済むといよいよオリエンテーション(1-A、1-B)に入ります。

80分の授業ならば約30分かけてオリエンテーションをし、

クラスとの一体感を作っていきます。

これらが成功するかどうかが、このクラスの一人一人が成長できるかどうか、

退塾者が出ないかどうか、新規入塾生が入ってくるかどうかが決まるのです

塾の先生はなぜ一般的に授業がうまいのか(2)-授業とは対話である-

おはようございます。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

「授業」について考えるブログの第3回です。

私はプロ講師ですが、普段意識しているのは「教える」ということではありません

■授業とは対話である

私は、「授業は対話でなくてはいけない」と思っています

しかし、ここで言う「対話」とは、授業中に生徒と雑談するということではありません。

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(1)一体感作り

一般的に先生はアレもこれも説明したいと考えていますし、「説明しないと生徒が理解できない」と考えているようです。

そして、やたらと説明する先生ほど「今日は授業頑張った!」と勝手な自己満足に陥ります。

本来ならば、生徒の方が「授業頑張った!」と感じないといけません

そのためには、生徒を巻き込むことが必要です。つまり、「一体感」を作る必要があります

(2)いかに生徒を巻き込むか?

生徒を巻き込むためには、積極的に生徒に委ねることです。

私はよく授業でこのようなフレーズを使います。
「どうなると思う?」
「何でやと思う?」
「どんな法則が隠れていると思う?」
「間違ってもいいから思うことを言ってごらん!」

例え、誰一人発言しなくても良いのです。生徒は一生懸命考えています。

(3)生徒の反応をきちんと観察する

みんなの前で発言するのが恥ずかしいならば、「ノートに書いてごらん!」と伝えます。

そして机間巡視しながら、
「おしい!」
「1カ所訂正すれば完璧!」
などと声をかけてあげます。

そうするとあちこちから、
「先生、できた!」とアピールがあります。

声に出す子もいれば、アイコンタクトする子、ノートをちょこっと動かす子、小さく手を挙げる子

上記は一例ですが、子どもを巻き込みながら対話をする。

バーバルな対話でも構わないし、ノンバーバルな対話でも構わないのです。

生徒に委ねると意外とその潜在能力を発揮するものです。

私が師と崇めている先生がこう押してくれました。

「授業では、しゃべりすぎるな!」