なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいのか(5)-教材の使い方ー

こんにちは。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

今月に入ってから、春休みから1学期にかけて使う英語の教材を作成しています。

新しく持つクラス、これまで担当してきたクラスなどを念頭におき、

教材作りをしております。

「教材作り」については明日のブログで伝えますが、

今日は「教材の使い方」について述べたいと思います。

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■教材の使い方

(1)意図は何なのか

教材を最初に手にしたとき、もちろん中身を確認します。

・どんな単元があるのか

・構成はどうなっているのか

・レベルはどのくらいなのか

・ページ数はどれだけあるのか

上記以外に、私が大切にしているのは「教材作成者の意図」です。

いくらIT機器が発達したとはいえ、問題の選定は機械任せはできません。

最期の校正で必ず作成者自身が再度目を通すはずです。

そのため教材には「作者の思い」が入り込みます。

・いったい作者はどのような意図でこの教材を作ったのか

それを付随の資料や、塾スタッフ、作成者本人から確認をします。

良い塾だと「時期に応じたテーマ」があります

例えば・・・

「最終的にはこの学年には京大・阪大・神大レベルに持っていきたい。

しかし、今のこの子たちは、まだそこまでいけるレベルではない。

さらに、春は新入生がたくさん入塾します。新入生は今まで部活を中心に

してきたのでそこまで勉強はできていません。だから、基礎的なことを中心に

指導してあげてください。『英語っておもろいなあ』そう感じさせてあげてください」

のように塾の思いを伝えてくれます。

そして、「塾のテーマ」×「テキスト作成者の意図」×「生徒たちの力」×「私の授業力」

が絡み合って授業が成立するのだと私は思います。

(2)何を教えないか

授業において、先生の力量が求められるのが「何を教えないか」です。

もう一度言います。

「何を教えないか」

です。

つまり、「教える内容」と「教えない内容」の線引きができるかどうかが先生の力量の1つです

・このクラスのレベルならば「ここまで教えよう」

・このクラスは「ここを教えるよりは、こっちに時間をかけたい」

など、クラスや個人に応じて問題を選別できるかどうかです。

学力的に厳しいクラスに「新しい情報」を伝えすぎるのは消化によくありません。

生徒が1段ずつ階段を登れるように授業の設定をしてあげなければなりません

(3)問題の優先順位をつける

次は「教える問題」にスポットライトを当てます。

ここに大問1があって、そこに小問が(1)~(10)まであるとします。

そしてその10個は必要なので教えると仮定します。

あなたはその10個に対して優先順位をつけられますか。

つまり、その10個の重要度が分かりますか。

過去の入試問題などを研究していると、

・良く出る問題

というのがあります。

また、

・過去の生徒たちがつまづいた問題

というのがあります。

だから、(1)~(10)まで教えるにしても、

講師の側が重要度(優先順位)が分かっていれば、

「(3)は○○大で出題されたもの。何度も似た問題が出る重要なやつだ!」

と声のトーンを高くし、生徒たちにアピールできます。

そうすると生徒もこの問題に対する意識がグッと上がります。

勉強熱心な先生ほど多くの気づきがあるものです。

塾の先生はなぜ一般的に授業がうまいのか(3)-何を教えるのか-

 

おはようございます。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

昨日、ある方からこんな質問をされました。

「子どものやる気を出させるためにはどうすればいいですか」

さて、あなたならばどのように答えますか。

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■その科目を教えるだけでいいってもんやないやろ!

(1)私はランナーであり、トレーナー

私は2年前までは英語の先生でした。

しかし、今の私は英語の先生でありません。

子どもと一緒に走るランナーであり、子どもの能力を引き出すトレーナーです。

その手段の1つとして英語があるにすぎません。

(2)テキストを教えるのではない

私はテキスト「を」教えません。テキスト「で」教えます

どういうことか理解できますか?

テキストという題材を用いて、問題以上のことを伝えます

例えば、英文の裏に隠された「文化」「歴史」「考え方」などです。

英語嫌いでも、歴史に興味がある子がいれば、

「歴史」が入り口となって英語に興味を持ってくれるかもしれません。

英語嫌いでも、英語が持つワールドワイドな力を知れば、

「世界で働きたい」と思って英語に興味を持ってくれるかもしれません。

(3)授業よりも授業以外

80分の授業で賢くなんかなりません。

80分の授業なんて「きっかけ」にしかすぎません。

その80分で「何を伝えるか」が先生の力ではないでしょうか。

80分以外で勉強にもっと取り組めるようにどう先生が話をするのか。

どのようにして子どものやる気を引き出すのか。

それを考えるのが先生の仕事であり、先生という仕事の魅力だと私は考えています。

だから、生徒を出迎えること、生徒を送り出すこと、休憩時間のコミュニケーションがとても大事です。

生徒の様子を授業以外でも観察する。

何気ない一言を聞きもらさない。

子どもとの距離を縮め、子どもが何に関心があるのかを見つける。

子どもを褒めるポイントを見つけ、子どもの変化を見抜く。

そんな力量が先生に求められていると私は思います。

生徒の話をよくする塾は、とても集客できている塾です。

仕事の話しかしない塾は、いずれは衰退するかもしれません。

なぜ答えを間違えるのか

 

こんにちは。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

昨日、今日と大阪は寒いです。

私は極端な冷え性で、本当に辛いです。

テレビを見ていると、

「ショウガは冷えに効く」

と言っていたり、

「ショウガは冷えに効かない」

と偉い先生が言っていたり。どの情報が正しいねん!と突っ込みたくなります。

■なぜ答えを間違うのか

あなたは、「言葉に振り回されている」ことはありませんか

昨日の授業のことです。以下のように(復習内容)説明をしました。

〈説明〉

①may / can・・・「~してもよい」

②had better・・・「~した方がよい」(←本当はhad betterはもっとキツイ言葉です)

次に、問題を解かせました。

〈問題〉

あなたはこの本を読んでもよい。

You(    )(    )this book.

答えはmay[can] readですが、

なんと正答率は60%程度でした。

あなたは、なぜこんなにも正答率が低いと思われますか。

理由は3つです。

〈理由〉

①選択問題ではなく、自分で記述しなければならないから。

②2つ目の空欄と、this bookとの関係が見抜けていないから。

③日本語の「よい」しか見ていないから。

特に、③は私も含めて日常でよくやってしまう行為です。

「話の一部しか聞いていない」

「その一部で全体を判断している(言った本人とは違う意図で理解されてしまう)」

もっと視野を広げないといけませんね。