授業は投資

先日、学生たちに「授業は投資」という話をしました。

「授業は受けるもの」ではないのです。受けて当然です。

それ以上に大事なのは「授業で学ぶこと」です。

授業で学んだことは、今後の人生において必ずリターンのあるものです

リターンがあるから投資です。

しかもそのリターンは計り知れないくらい大きいです。

ハイリスクハイリターンな投資ではないです。

しかし、学生はそんなことには気付いていません。

気付いていないのも無理はありません。

なぜならば「授業は投資」ということを誰からも教えてもらっていないのですから。

せいぜい、「出席してレポートを書いて期末テストで合格し、単位をもらい就活をし、卒業すれば良い」ほどしか考えていないようです。

教える側の責任も大きいですね。

本当のコミュニケーション能力とは?

久しぶりのブログです。

しばらく期間をあけてしまいまして、申し訳ございません。

皆さん、仕事をする上で一番大切にしているものは何ですか?

おそらく「コミュニケーション能力」を上位に挙げる方が多いと思います。

それでは、コミュニケーション能力とは何ですか?

「私はコミュニケーション能力があります」

このセリフの間違いに気づきますか?

「コミュニケーション能力」があるのか、ないのかの判断は自分ではなく他者です。

ですから、

「あなたはコミュニケーション能力があります」⇒○

「私はコミュニケーション能力があります」⇒×

です。

では、もう一度聞きます。

「コミュニケーション能力」とは何ですか?

先日、学生たちに同じことを聞きました。

ほとんどの学生は、こう答えました。

「論理的に話す力」

あなたは、この答えにどう思いますか?

私は「不十分」と答えました。

そして、「あと3つある」と付け加えました。

お仕事をされている方は十分認識されていると思いますが、それは

「聞く力」です。

「話す力」よりも「聞く力」の方が大事

ということはよく言われることです。

では、あと2つは何でしょうか。

それは「積極的に加わる力」と「積極的に加える力」です。

学生たちに4人1グループでペアワークをさせました。

特に指定せずに、どのようなグループを作るのかを観察していました。

そしてペアワークをさせました。

そうすると、「参加していない学生」が数人いました。

厳密にいうと、

「グループに加えられていない学生」「グループに加わろうとしない学生」です。

ペアワークが終わった後、私はこう話をしました。

「みんなの中で、1人ぼっちになっている子がいることに気づいていた学生がいるよね。

どうして、その子を加えてあげなかったの?」と。

「気づいているのに、何も声をかけてあげていない。それでいいのかな?

本当のコミュニケーションとは一体何かな?」と。

そして、敢えて自らグループワークに加わらない学生にもこう言いました。

「積極的に自分から動かないといけないよ」と。

確かに、「一人でいる方が楽」、「自信がないから一人でいる」という主張も分かります。

しかし、

「あなたが新入社員で入社して、右も左も分からない。だから先輩に聞けば解決するのに、

何らかの理由で聞こうとしない。それでいいのですか?」と。

次回のペアワークでどのように変化をするのかが楽しみです。

消えるshould

こんにちは。
WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。
この春期の間、ある高校で、「ゴール」を見据えた授業を行いました。

まだ新高3ですが、意識の高い生徒たちです。

しかし、問題は難問です。

「ここから逃げるのは簡単。ランクを下げるのも簡単。でも、一度逃げ出したら、どんどん逃げてしまう」

と話をしました。

アンケートでは「逃げずに立ち向かいます」と力強い言葉を書いてくれました!

■消えるshould

大学受験生を教えていて、正答率が極端に低い問題がいくつかあります。

それが、「消えるshould」です。

実際は「省略」です。

【公式】

SV+that+S’ ( should ) +動詞の原形~

*Vは” DORIPS “

D : demand

O : order

R : request require recommend

I : insist

P : propose

S : suggest

《例》
She insisted that he be there alone.
「彼女は彼が一人でそこにいることを主張した」

やたらと狙われる問題です。
しっかりとマスターしてください。

第4文型doの語法

こんにちは。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

この春休み、たくさんの新高3の授業を担当しています。

この時期の新高3がまだまだ不足しているのが「語法」です。

「語法」には「動詞の語法」「名詞の語法」「形容詞の語法」「副詞の語法」があります。

例えばhaveの使い方、なども語法です。

文法はできても語法の勉強が手薄だから点数が取れていません。

さて、本日の生徒からの質問はdoに関するものです。

■第4文型のdo

doは意外にも第4文型を取ることができます。

○第4文型・・・SVOO

つまり、doは後ろに2つの目的語を並べることができます。

以下に入試などでよく出題されるものを紹介します。

⑴ do+人+good 「人に利益を与える」

⑵ do+人+harm  「人に害を与える」

⑶ do+人+damage  「人に損害を与える」

【注意1】
日本語では「与える」としていますが、doをgiveに変えることはできません。

【注意2】
上記の表現を第3文型に書き換えることが可能です。

⑴ do+good+to 人

⑵ do+harm+to 人

⑶ do+damage+to 人

意外な用法なので、練習が必要です。

コーチングとティーチング

 

こんにちは。

WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

ところで、質問です。

あなたは「コーチ」ですか、それとも「ティーチャー」ですか。

これは職業としてのコーチやティーチャーを指しているのではありません。

もしあなたが親ならば、

子どもにとって「コーチ」ですか、それとも「ティーチャー」ですか。

もしあなたに部下がいるならば、

あなたは部下にとって「コーチ」ですか、それとも「ティーチャー」ですか。

■コーチングとティーチング

先日、興味津々である方にコーチングをしていただきました。

しかし、内容がティーチングだったのです。

(1)コーチングとティーチングの共通点

両者とも、クライアントの問題解決に努め、目標達成の手助けをするという意味では共通です。

(2)コーチングとティーチングの違い

コーチングは「クライアント本人が答えを見つけるのを導く」のに対して、

ティーチングは「クライアントに答えを教える」ことです。

クライアント本人の自主性を重んじるならばコーチングですが、

まるで答えを誘導するかのようにしている場合は、コーチングではありません。

■あなたは子供に、部下にどのように接していますか。

学校では「子どもの自主性を育てる」ということを目標に掲げているところが多いです。

自主性を育てるにはコーチングスキルが必要です。

しかし、ティーチングをしていませんか。

確かに、初期の段階はティーチングスキルが有効です。

しかし、徐々にコーチングを使って子どもが自発的に考えられるように促してあげなければなりません。

部下に対しても同じですね。

「教える」ことと「引き出すこと」、このバランスが難しいのです。

【英文法ブログ(1)】関係代名詞whichか関係副詞whereか

 

こんにちは。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

最近は英語ブログから離れていましたので、

軌道修正です。

「最近英語について書いてへんやん」

と知り合いから突っ込まれました(笑)

不定期ですが、

過去に生徒から質問のあった内容に関して少しずつ小出しにしていこうと思います。

■関係代名詞whichか関係副詞whereか

〈例1〉This is the park( which, where )we played baseball.

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【答え】where
【解説】

先行詞(ここではthe park)が「場所を表す」からwhere!と考えてはいけません

関係代名詞にしても関係副詞にしても「文と文をつなぐ働き」がありますので、

2つの文に分解してください。その際のポイントはズバリ・・・

●先行詞を後ろの文に戻す!

(1)This is the park.

(2)We played baseball [ the park ].

ここで、(2)を見て下さい。

何か不自然ですよね。

本来ならば・・・

(2’)We played baseball [ in ] the park.

のように、前置詞が必要です。

では、2つ目のポイント!

●先行詞を後ろの文に戻した時に、「前置詞」が必要ならば、関係副詞!

つまり、(2’)のようにin the park ⇒ whereという関係です。
〈例2〉This is the country( which, where )I want to visit.

〈例3〉This is the country( which, where )I want to go.

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【答え】〈例2〉which 〈例3〉where
【解説】〈例2〉と〈例3〉の違いは、visitかgoだけです。

では、さっそく、それぞれの文を2文にしてみましょう。

先行詞を後ろの文に戻すことを忘れないように。

〈例2〉

(3)This is the country.

(4)I want to visit [ the country ].

〈例3〉

(5)This is the country.

(6)I want to go [ to the country ] .

(4)では、visit+名詞です。では、ポイント3です。

●名詞は関係代名詞になる!

だから、名詞 ⇒ 関係代名詞ですので、whichを使います。

(6)では、go+to 場所です。前置詞toが必要です。

ポイント2から、「前置詞+名詞 ⇒ 関係副詞」です。

ですから、whereになります。
また、ポイント2(前置詞+名詞⇒関係副詞)とポイント3(名詞⇒関係代名詞)の合わせ技が可能です。

つまり、ポイント4!

●前置詞+名詞 ⇒ 前置詞+関係代名詞 ⇒ 関係副詞

〈例1〉は

This is the park where we played baseball.

=This is the park in which we played baseball.

〈例3〉は

This is the country where I want to go.

=This is the country to which I want to go.

のように書き換えることが可能です。

子どもの「ひもほどき」

こんにちは。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

子どもが変わった瞬間、とても感動的です!

先週から、ある高校で新2年生の春期講習の授業を担当させていただいております。

本日は最終日ですが、感動ドラマのようでした

私が担当していたクラスは学校でも厳しい学力のクラスと言われていました。

5回の授業でしたが、率直に感じたのは「ひもをほどけば、この子たちは伸びる」ということでした。

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■ひもほどき

勉強が嫌いになる生徒や、ヤル気はあるのに成績が伸びない生徒は、

まるでグチャグチャになった毛糸玉のようです。

この子たちの学力では、英語も日本語を手掛かりにしないと解けません。

例えば、「~している」や「~でいる」はこの子たちの世界では現在進行形です。

しかし、「毎日本を読んでいる」は、英語では現在形です。

つまり、「~している」や「~でいる」を現在進行形だと思い込んでいたところに、

「現在進行形ではない」、という新たな情報が入ると、もう混乱状態です。

だから、一つ一つ絡まったひもをほどいてあげないといけません。

ひもがほどけてくると、

子どもたちはかなり自信を取り戻したちはかのようで、

友達と競いあったり、

「先生、オレ今までサボってきたけど本気で勉強するからオススメの問題集を教えて欲しい」と言ってきたほどです。

■潜在能力なんて、やってみないと分からない

そして最終日の今日、子どもたちにある国立大学の自由英作文を改編したものをやらせました。

辞書の使用を許可しました。

普通ならこんな授業はしないでしょう。

「文法もあやふや」
「単語も知らない」
「段落構成も知らない」
「英作文はこの子たちには必要ないやろ」

そんなふうに考える先生は多すぎです。

その反面、「チャレンジしろ」「困難に立ち向かえ」「やったらできる」と相反する精神論を掲げています。

先生が勝手に子どもの潜在能力を決めつけているのは本当に失礼な話です。

私は簡単な指示をしただけで、あとは子どもたちに任せました。

辞書でしらべる子、問題集で探す子、教科書を見る子、様々です。

そして誰一人手を休めることなく書いている。

 「これはなんて言うんやろ」
 「この書き方で合っているんやろか」

こうやって調べたりしているうちに、どんどん知識が増えてくるのです

東大生の勉強方法

こんばんは。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

今日は、朝から難波で「堂々と価値ある話し方トレーニング」のセミナーを開催しました。

いつも満員御礼で本当にありがとうございます。

参加した方のプレゼンをすべて撮影し、

後日マンツーマンで振り返りコンサルをしていきますね!

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■東大生の勉強方法

今日は、セミナーの後、枚方でいつも私がお世話になっている塾主宰のイベントがありました。

それも「東大生が教える勉強方法」です。

どんな話が出るか、とてもワクワクしていました。

話を聞き終わると、やはり「さすがだなあ」と感じずにはいられませんでした。

①苦手科目があっても苦手と思わない。

②コツコツ勉強する(問題集を3周)

③勉強はゲーム感覚

④ライバルの存在が大事

⑤友達と教え合う

⑥勉強する意義を持っておく(PDCAが身につく)

以外だと思ったのは「ノートづくり」について。

一時、「東大に合格する人のノートはすごい」みたいなのが流行りましたよね。

でも、本人たち曰く、「ノートは読めればいい」とのことでした。

実際に見せていただいたノートも、お世辞でも「きれい」とは言えないものでした。

また、「東大の問題よりも難関私大の問題の方が難しい」とのことです。

まあ、薄々そう感じてはいましたが。

聞いていた生徒たちもとても刺激を受けていたようです。

なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいのか(12)-学力格差の克服-

おはようございます。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

昨日はとある高校にて「大学と高校の授業の違い」について講演をしてまいりました。

どの生徒も熱心にノートを取り、

また積極的にアクティブ・ラーニングにも取り組んでくれました。

授業の主導権は先生にありますが、

主体性を発揮するのが生徒ですので、

両者がかみ合うととても活気のある授業ができます!

■学力がバラバラなクラスを担当する場合に何を心がけるか

(1)多角的評価

私は個人的にこう考えています。

「『学力が低いクラスは授業がしんどい』というレッテルを貼るな」

だから、私は学力が低いクラスでも十分生徒をやる気にさせて帰らせることができます。

なぜならば、きちんとした理由があるからです。

単に「『学力』が低い」だけであって、

「『学力以外』は高い」ものがあるからです

例えば、

「運動能力」

「新しいIT機器を使う能力」

「漫画について良く知っている能力」

「料理が得意な能力」

「気遣いができる能力」

「アイドルをよく知っている能力」

「歌唱力」

「ゲームが上手な能力」

など、「勉強」以外にもそれぞれ「すばらしい能力」があるはずです。

だからこそ、

先生はその子の「すばらしい能力」を見つけて褒めてあげる必要があるのです

「学力が低い=勉強ができない=忘れ物が多い=やる気がない」

そんなに簡単にイコールで片付けて良いものでしょうか。

(2)学力格差のあるクラス運営

大きな塾ならば1つの学年でも学力別にクラス分けがなされています。

小さな塾ならばクラス分けができないので学力格差のあるクラスが1つあるだけです。

もし、あなたが学力格差のあるクラスの授業を任された場合、

どうやって授業をしますか。

「学力が低い層に合わせる」⇒上位層が授業をつまらなく感じる

「学力が高い層に合わせる」⇒下位層が授業にちんぷんかんぷん

「学力が中くらいの層に合わせる」⇒上位層は「ものたりなさ」、下位層は二極化(頑張るか、あきらめるか)

だから、私は、「先生に合わさせる」ようにします。

つまり、先生の説明の仕方を「下位⇒中位⇒上位」の3段階にするのです。

しかも、テキストも工夫します。

できるだけ板書を少なく、

ポイントをまとめたものを先に配布しておくのです。

そうすることで、

下位層の脱落を防ぎ、最低限身に付けなければならないものが明確になります。

授業ではワンランク上の授業展開をすることで、

適度なストレス(負荷)を与えることができます。

「もう少しでできそう」

そう思わせることで、学力は向上します。

なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいか(11)―授業で何を見ているか―

おはようございます!WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

今日は滋賀県にある高校で大学入学者前講習の授業です。

大学と高校の授業の違いをアクティブ・ラーニングの要素を取り入れての授業になります。

このアクティブ・ラーニングは
今後の日本の教育現場では盛んに取り入れられるようになるでしょう。

また、
私の得意分野でもありますので、
今日の授業は大いに楽しみたいと思います。

■授業で何を見ているか?

学校と塾との大きな違いは、
「先生と生徒との接触時間」です。

学校は1週間に5日、
部活も入れたら毎日顔を合わすこともあるでしょう。

しかし塾は違います。
受験生でもなければ、
週に2回来る程度です。

しかも塾には、
学校のようなホームルームはありませんので、
週に2回来ていても、
先生と生徒が顔を合わせる機会はそれほど多くありません。

だからこそ「変化」に気づかなければなりません

(1)良い変化

これはもちろん「学力面」の変化です。
・模試の結果よりも週ごとの変化
・モチベーションの高まり
・顔つき
・板書を写すスピード
・聞く姿勢
など挙げればキリがありません。

しかし、
授業が下手な先生は
「良くないこと」ばかりに目がいきます

これは下手な先生に限ったことではありません。

大人は褒めるのが下手です。
子供や部下の悪いところばかり目がつきます。
そして、ついつい自分と比べて愚痴をこぼします。

しかし、
授業が上手な先生や尊敬される上司は、
「褒める」のが上手です。

(2)悪い変化

塾の先生としてもう一つ敏感にならなければならないのが「悪い変化」です。

成績が落ちてきた場合、
その分析が必要です。

「勉強量」だけの問題ではありません。
子供を取り巻く環境の変化にどれだけ気付けるか、それをうまく親に伝えられるかが講師の力量です。