大学受験生必見「夏休み英語の最強勉強法」

センター試験〈英語〉の勉強方法~夏休み~

1.こんな先生、大丈夫?

 

生徒:先生、6月の模試、全然アカンかった・・・

先生:ちょっと見して。あー、第2問の文法問題、めっちゃ落としているなあ。

生徒:この夏、やっぱり「文法」せなアカンなあ。

先生:そうやで、この夏は「文法」をめっちゃやろう!そしたら大丈夫やで!

さて、

この先生の指示通り勉強したら、成績は伸びるでしょうか?

予備校で教えている私からすれば、「無理」の一言です。

一体、このやり取りのどこに問題があるのでしょうか?

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2.努力は報われ?

 

「努力は報われる」と言われます。

しかし、それは「正しい方向に努力した場合」のみです。

「合格祈願をする受験生合格祈願をする受験生」[モデル:河村友歌 渡辺友美子]のフリー写真素材を拡大

「間違ったこと」をしていては、努力は報われません!

では、センター試験〈英語〉において、何をすれば合格切符が得られるのでしょうか?

3.センター試験過去3年分を分析(第2問)

きちんと分析している先生ならば、的確なアドバイスをするはずです。

 

(H29年度)

A問題〈空欄補充〉

  1. 前置詞
  2. 定冠詞
  3. 動詞の語法
  4. 比較
  5. 準動詞(分詞構文)
  6. 複合関係詞
  7. 関係詞
  8. 動詞の語法
  9. 代名詞・比較
  10. 動詞の語法・時制

B問題〈整序作文〉

  1. it構文(find it+形容詞 to ~)
  2. it構文(it cost+人+~)
  3. 疑問詞how come+SV ~?

C問題〈会話整序〉

  1. 動詞の語法
  2. 仮定法・分詞形容詞
  3. 間接疑問文・動詞の語法

(H28年度)

A問題〈空欄補充〉

  1. 比較
  2. 動詞の語法
  3. 接続詞
  4. 動詞の語法
  5. 時制・動詞の語法
  6. 準動詞(分詞構文)
  7. 前置詞
  8. 疑問詞・挿入
  9. 呼応の副詞
  10. 時制・定冠詞

B問題〈整序作文〉

  1. 仮定法
  2. 受動態
  3. 呼応の副詞

C問題〈会話整序〉

  1. 形容詞の語法・動詞の語法
  2. 準動詞(動名詞)
  3. 動詞の語法

2017年現在、最新の過去2年分のセンター試験を分析しても、「動詞の語法」「準動詞(不定詞・動名詞・分詞)」がよく狙われています。

4. 本当に成績が上がる勉強法とは?

よく、某センター試験分析サイトを見ていると、

 

・例年並み

・平易

などと書かれているだけです。これでは、何のアドバイスにもなっていませんね。

一般的に市販されている教材も中身の配列はこんな感じです。

〈第1章〉文法

  1. 時制
  2. 助動詞
  3. 仮定法
  4. 不定詞
  5. 動名詞
  6. 分詞
  7. 比較
  8. 代名詞
  9. 関係詞
  10. 接続詞
  11. 前置詞
  12. 疑問文と語順
  13. 否定・省略・強調

〈第2章〉語法

  1. 動詞の語法
  2. 形容詞・副詞の語法
  3. 名詞の語法

〈第3章〉イディオム

確かに、高1や高2生で、「これから英語の勉強を頑張ろう!」という生徒ならば、

テキストの前からやっていってもいいでしょう。

しかし、

公募推薦やセンター試験などを考えていて、

模試で結果を出さなければならない生徒が、

「じゃ、夏休みはこのテキストを前から順番にやっていこう」とアドバイスされても、

全く意味がありません。

 

だから、私は予備校の授業で、以下のようなアドバイスを4月の段階でします。

  1. 動詞の語法
  2. 接続詞・前置詞
  3. 代名詞
  4. 否定・省略・強調
  5. 疑問文と語順

この5つの単元を6月までに10回くらいやっておくこと

本当に生徒思いであるならば、「この夏は文法をしっかりやろう」はアドバイスではありません。

努力が報われるような、生徒が喜ぶようなアドバイスができる指導者であってほしいものです。

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教える力(1)-授業「人」として

これから「教える力」について何回かに分けてブログを書いていきます。

今日は第1回目。

テーマは「授業人」。

最近教員の英語力(英検準1級など)と生徒の英語力との間にギャップがあるというニュースや新聞報道がありましたね。

この件について、「授業人」という視点から食い込んでいきたいと思います。

(1) 先生が「賢い」から生徒が「賢くなる」は無理

いくら先生が賢くても、「生徒が賢くなるか?」と言われると、答えはNoです。

「先生の賢さ」よりも「教え方」「気づかせ方」「やる気の出させ方」の方が、生徒にとっては重要なのです。

文部科学省のお偉い方がどう考えているのか分かりませんが、現実はもっと違うのです。

 

〈例1〉中学3年生で高校入試前にweが何なのか知らなかった・・・

〈例2〉講師採用試験を受けた有名大学生がmakeの過去形をmakedと書いた・・・

〈例3〉2次方程式を知らない小学生に2次方程式で問題の解き方を教えていた・・・

いくら先生が英検準1級を持っていても、〈例1〉のような、高校入試直前に塾に来た「weを知らない中学3年生」に教えるのは大変です。

英検準1級があるからどうのこうの、という問題ではなく、「どうやってその子にweを教えるのか」ということです。

つまり・・・

①weの読み方

②weの意味

③weの時のbe動詞(現在形と過去形)

④weを使ったbe動詞の疑問文と応答文

⑤weを使ったbe動詞の否定文

⑥weを使った一般動詞の肯定文、疑問文、否定文

⑦weを使った疑問詞疑問文

⑧weを使った未来表現、進行形

⑨weを使った現在完了形

最低でもここまでのことを入試に間に合うように教えなければならないのです。

これだけのことを思いつくことができるかどうかが、一流の先生とそうでない先生との違いです。

また、〈例3〉のように、2次方程式を知らない小学生に2次方程式を教えるなんてカリキュラム無視も良いところです。

カリキュラムは子供の発達段階に合わせて緻密に作られています。

なぜ、小学生にxやyではなく、□を使った考え方を教えるのか、あなたは考えたことがありますか。

さらに、〈例2〉のように、たとえ有名大学出身でもmakeの過去形をmakedと書く学生も多くいます。

他には、「・・・という」とすべきところを「・・・とゆう」だとか、「友達」の「達」を「3本線ではなく2本線で書く」学生もいます。

(2) 「賢い」と「教え方」はまるで違う!

いくら賢くても、「黒板の前」という舞台の使い方が下手な先生は結局は生徒には伝わりません。

 

 

〈例1〉説明ばかりしている=話が長い

〈例2〉黒板が混沌としている

〈例3〉たとえ話が下手

〈例4〉その順番で説明する根拠が不明確

〈例5〉生徒を聞かせる態勢にさせていない

〈例6〉授業がトレーニングになっていない

 

〈例1〉にも挙げたように、黒板の前は先生の舞台です。舞台でどう踊るかは先生次第。

きれいに踊れる先生もいれば、そうでもない先生もいる。

「一体どのくらい模擬授業をやったのだろう?」と疑問に思います

〈例2〉は「黒板の使い方」が雑、という意味ではありません。黒板は先生の芸術作品です。

文字が上手であることが前提ですが、黒板は「思考の整理」として使うべきです

〈例3〉ですが、たとえ話は意図的に選ばないといけません。

完全に脱線している先生もいるようですが、本筋を伝えたいためのたとえ話です。

しかも、「意味を含んだ」たとえ話でなければなりません。

〈例4〉はよく素人の講師に見られるパターンです。

人前に立って話をしたことがない方(プレゼンが下手)は、前から順番に話をしていきます

教科書を例にすると、教科書には「書き手」と「使い手」がいますよね。

書き手の意図と使い手の意図は必ずしも一致しません

書き手が必要な箇所だと感じても、使い手は不要な箇所と感じる場合もあります。

書き手はとても詳しく書いてくれているけれども、使い手はもっとコンパクトに伝えた方が分かりやすいと感じる場合もあります。

書き手が意図した順番が「積み上げ型」であっても、使い手が「逆算型」にした方がもっと分かりやすい場合もあります。

教科書を逆に持って音読をさせる場合もあります。

どう材料を使うかは、プレゼンター(先生)次第。

〈例5〉は授業以前の問題です。授業は双方向でなければなりません。

先生の舞台が整っていても、生徒の舞台が整っていなければ成立しないのが授業。

お互いがもっとハッピーになれる環境づくりが必要です。

〈例6〉は、授業は「育成」の場、「人格形成の場」という意味です。

一方的に説明をして満足する先生が多いです。

しかし、生徒は練習しなければ上達しませんよね。

いくらバッティングの説明をしても、実際にバットを振る練習をしなければ上達しないのと同じです

授業は「トレーニングの場」です。生徒がたくさんトレーニングをすれば良いのです。

トレーニングは単に「解く」だけではありません。

「気づかせる」「考えさえる」「悔しい思いをさせる」「自慢できる場面を作る」・・・

そういう舞台を整えるが先生です。

(3) まとめ

先生が英検準1級を取得することには反対はしません。

 

しかし、もっと必要なのは「授業に磨きをかける」ことではないでしょうか

あまりにも授業に関するトレーニングが少なすぎる、または、授業を教える先生が少なすぎるような気がしてなりません

先生も「人」です。授業人としての「人」の魅力を鍛えるべきではないでしょうか。

【教育ブログ】塾講師検定資格保有者だから安心か?

先日、教育業界に新たな一石を投じる記事が掲載されました。

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6172111

塾講師を国家検定に 信頼性向上狙い17年にも

 塾講師の検定を「国家検定」にする準備が進んでいる。指導力を保証して信頼性を高めたい塾業界と、サービス業の質を上げたい国の思惑が背景にある。2017年にも実現する見込みだが、受検はあくまで希望者のみ。どこまで普及するかは不透明だ。(朝日新聞デジタル)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「塾講師検定」では何が評価されるのでしょうか?

また、資格保有者の授業は安心できるのでしょうか?

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以下は、「塾講師検定」を主催している公益社団法人全国学習塾協会ホームページからの引用です。

■塾講師には「個別生徒の状況に応じて臨機応変に対応する能力」等が不可欠であり、塾講師の個性なども重要視されますが、本検定試験では、学習塾講師が身につけるべき事項のうち『共通して求められる知識・技術・能力』、『客観的に判断しうる知識・技術・能力』を対象範囲に限定します。
■映像によって評価者が審査を行う検定試験の性質上、本検定試験の評価対象は『塾講師の行動』となります。つまり、知識・能力・技術が行動に現れていない場合は評価しません。塾講師の「意識」も行動に現れている場合のみ評価するものとします。

これを読んで理解できる部分が以下の通りです。

⑴ ベテラン講師ではなく学生講師または講師を始めて3年くらいまでの方を対

⑵ 学力的知識の測定

⑶ 板書、発問など、いわゆる授業スタイルの測定

つまり、この検定は「客観的に測定可能な項目」を確認しているのだと私は感じます。

確かに、以前私が関わっていた採用試験では、makeの過去形をmakedと書いていた学生がいたのを思い出しました。

こんな学生から子供が教えられたらたまったものではありません。

また、子どもと向き合わず、ホワイトボードとばかり対話しているような先生もダメですね。

私はこの検定の主旨には大いに賛成ですし、

ある程度「世間に認められる塾講師の最低限の基準」が明確になったことで、塾側も講師育成の方向性がある程度見えたはずです。

しかし「学力的知識=講師の力量」ではありません

授業というのは数値では測定できない要素から成り立っている部分も大きいので、

先輩ベテラン講師から話を聞いて教壇に立ってほしいものです。

でも、その先輩ベテラン講師も大丈夫かな、と心配になりますが。

なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいか(11)―授業で何を見ているか―

おはようございます!WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

今日は滋賀県にある高校で大学入学者前講習の授業です。

大学と高校の授業の違いをアクティブ・ラーニングの要素を取り入れての授業になります。

このアクティブ・ラーニングは
今後の日本の教育現場では盛んに取り入れられるようになるでしょう。

また、
私の得意分野でもありますので、
今日の授業は大いに楽しみたいと思います。

■授業で何を見ているか?

学校と塾との大きな違いは、
「先生と生徒との接触時間」です。

学校は1週間に5日、
部活も入れたら毎日顔を合わすこともあるでしょう。

しかし塾は違います。
受験生でもなければ、
週に2回来る程度です。

しかも塾には、
学校のようなホームルームはありませんので、
週に2回来ていても、
先生と生徒が顔を合わせる機会はそれほど多くありません。

だからこそ「変化」に気づかなければなりません

(1)良い変化

これはもちろん「学力面」の変化です。
・模試の結果よりも週ごとの変化
・モチベーションの高まり
・顔つき
・板書を写すスピード
・聞く姿勢
など挙げればキリがありません。

しかし、
授業が下手な先生は
「良くないこと」ばかりに目がいきます

これは下手な先生に限ったことではありません。

大人は褒めるのが下手です。
子供や部下の悪いところばかり目がつきます。
そして、ついつい自分と比べて愚痴をこぼします。

しかし、
授業が上手な先生や尊敬される上司は、
「褒める」のが上手です。

(2)悪い変化

塾の先生としてもう一つ敏感にならなければならないのが「悪い変化」です。

成績が落ちてきた場合、
その分析が必要です。

「勉強量」だけの問題ではありません。
子供を取り巻く環境の変化にどれだけ気付けるか、それをうまく親に伝えられるかが講師の力量です。

なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいのか(7)-小テストの作り方-

おはようございます。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

今日は朝から梅田にて朝活です。

この朝活は私が所属しているGOSPAのグループフォローの一環なのですが、

もし良かったら覗きに来てくださいね。

さて、昨日で国公立大学対策も一段落し、

いよいよ来週からは出版に向けての本格的な準備に入ります。

再来週は東京で出版に向けての打ち合わせなど忙しくなりそうです。b86fb3f574e71b74ca82dc7d76cb7af0_s

■小テストの作り方

話は横道にそれましたが、今日のテーマは「小テストの作り方」です。

「小テスト」と聞くと、嫌なことを思い出す読者の方もいらっしゃると思います。

今日も午後から授業をしにある高校に行くのですが、

黒板には「○月○日 小テスト 範囲は・・・」と書かれています。

英単語や英文法、漢字などやたらと小テストばかりですね。

しかし、そういう積み重ねが後々に大きな力となるのですが、

当の高校生にはあまり伝わっていないようです(笑)

(1)何のために小テストをするのか

とても根本的なことですが、

授業担当者が「なぜ小テストをする必要があるのか」を理解しておかなければなりません。

恐らくほとんどの講師が「生徒が理解できているかどうかを把握するため」

と答えるでしょう。

しかし、私はその答えは半分は正しくて、半分は間違っていると思います。

なぜなら、皆さんにも経験があると思いますが、

授業開始の5分前にさっと覚えてテストに臨む子もいるため、

本当に「時間をかけて勉強してきたのかどうか」を測るのは難しいのです。

生徒を信じたいですが、ある意味悪知恵の働く子もいますので、

小テストの結果はクラスの状況によりけりですが、

私は「参考程度」にしています。

では、私が小テストをする場合は「何を目的にしているのか」ですが、

①「時間をかけて丁寧に勉強してきたかどうか」

②「最後まで粘れるか」

③「時間内に解き切れるか」

の3点を確認します。

(2)時間をかけて丁寧に勉強してきたかどうか

学校などでは「単語テストは10個ずつ」などが多いようですが、

果たしてそんな少ない量で力がつくのでしょうか。

私は基本的に高2で「100個中20個出題」、高3で2学期にならば「500個中20個出題」にします。

「そんなのありえない」

という読者からの声が聞こえてきますが、

担当している生徒のほぼ全員が毎回満点です。

しかも不合格者には再テストを課しますが、

同じテストはしません。

ある程度、生徒に「ストレス(負荷)」を与えることが重要で、

中途半端に勉強している子は結局、模試の結果は良くないです

(3)最後まで粘れるか

私は小テストの時に必ず言う言葉があります。

「ペンを置くな」

例え早く解き終わっても、最後までペンを離すことを許しません

ペンを置いていたら、土壇場になって正しい答えが思いついた時に、

書きなおすのに時間がかかるからです。

また、塾や高校によっては「解き終わると寝る」「机の上に突っ伏す」子がいます。

このような塾や高校の場合は「しつけ」からスタートしないといけません。

小テストをさせながら「勉強に対する姿勢」が見えるのです

(4)時間内に解き切れるか

小テストの際には必ず「時間制限」を設けます。

少々きついくらいがちょうどいいでしょう。

(5)先生としての意識

ここで先生に伝えたいメッセージがあります。

①80分(高校なら50分)のうち、小テストの時間にあなたは何分費やしますか。

そもそも「小テスト」をする必要はありますか。

まるで決まったかのように「小テスト」「小テスト」と言いますが、

本当にあなたのクラスは小テストが必要ですか

小テストをするよりも、もっと授業で魅せる、考えさせる方がいいのではないでしょうか。

それとも、小テスト以前の問題ならば、しつけをきっちりする方が効果が出るのではないでしょうか。

小テスト=定期テスト=模試=入試という「つながり」を持っていますか。

小テストをおろそかにする子は、入試でもおろそかです

小テストであろうが何であろうが「テスト」です。

だから私は小テストを「なめている」子には「ガツン」と行きます。

小さなことで結果が出せないのならば、大きなことで結果が出せないからです。

これは、私の信念と言っても過言ではありません。

小テストは、先生から生徒への「メッセージ」です。

あなたの実施する小テストには「愛」がこもっているでしょうか。

なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいのか(6)-教材の作り方-

 

こんにちは。WEST-TOTAL-EDUCAIONの西です。

この仕事に限らずどのような仕事でもそうだと思いますが、

どうしても世間が狭くなってしまいます。

会社の人との付き合いはあっても、なかなか他の人との付き合いがありません。

自分の授業の魅力を引き立たせるには、自分そのものを磨く必要があります

そのためには積極的に外で出て新たな知識を吸収することも大事です。

いろいろな世界を持っていることで、

子どもたちにその情報を提供でき、

子どもたちもさらに考えることができるからです

幸い、私はプロ講師であるとともに、

「話し方セミナー」「目標設定セミナー」「行動計画セミナー」

を開いていますので、多くの業界の方と出会えます。

そこでお聞きする話には授業で役に立つネタが満載です。

■教材の作り方

話がかなり横道にそれてしまいましたが、

専門性を高めるには縦にも横にも広げていかなければならないと思います。

さて、前回は「教材の使い方」の話をしました。

今日は、「教材の作り方」です。

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(1)塾専用教材がある場合でも・・・

塾には市販されていない「塾専用教材」があります。

塾専用教材を使う場合はもちろん塾内の担当者がそれを精査して納入しています。

それが末端の教室に降りてきた場合、よく起こるのがミスマッチです。

「どうしてこの教材?」

だからこそ、担当者と末端の教科担当者とのすり合わせが必要になります。

実際に授業を担当する講師は付随のプリントを自作するでしょう。

この自作プリント、もしあなたが教室の責任者ならば、講師任せにしていませんか

(2)教材の作り方

先ほどの「自作プリント」を含め、教材を独自に作成する場合についての私の考え方について述べます。

①自作プリント、独自教材は本当に必要なのか

スタートはここからです。

そもそも「自作プリント」「独自教材」を作ることに喜びを見出している講師が多いです。

「本当にその教材は必要ですか?」

特に塾専用教材と教科書とノートがあれば、自作プリントの90%が不要だと私は考えています。

例えば、中学校の英語で新しい文法単元を指導すると仮定してください。

1.型(公式)と訳し方の紹介

2.例文の説明

3.演習問題

これが新単元の主な流れです。

次に自作プリントを入れてもいいですが、私ならばもっと違うことをします。

それは「ゴール」設定がそもそも違うからです。

私のゴール設定は高校入試でも大学入試でもありません。

「使える英語(発信力のある英語)」です。

だから・・・

4.演習問題の音読

5.演習問題の暗誦

6.演習問題の単語を一部変えて英作文

ここまでやります。塾専用教材とノートがあればできることです。

もっと日本の将来を考えないと、もっと英語教育を考えないと!

②独自教材を作る方法

特に大学入試を専門とする場合、集団クラスでは塾専用教材を使わずにプロ講師に一任されることが多いです。

私もこの春から塾で7クラス、高校で7クラス、大学・短大(こちらは英語ではありませんが)5クラス担当します。

そのうち16クラスは独自教材にしなければなりません。

A 逆算型

私が教材を作る場合(英語に限りますが)、「逆算型」です。

例えば新高3生の長文読解のクラスを持つと仮定します。

1.クラスの現状と将来の把握

これが、まず最初にすることです。

ある程度の予測も入りますが、以下のことを考えます。

「国公立志望が多いのか」

「難関私立志望が多いのか」

「中堅私大志望が多いのか」

「センター試験を受けるのか」

「公募推薦が多いのか」

途中で増えることも多いので、最終的には「難関私立志望」で設定をします。

国公立志望をする子には別途、課題を配布します。

今の私立大学を受ける生徒はセンター試験を併用ことも多いので、センター対応型にもしておきます。

2.期間と内容の設定

・翌年1月19日~31日「私立直前対策」・・・志望校別私立大対策

・翌年1月1日~16日「センター直前対策」・・・センター内容

・12月・・・「センター対策」

・11月・・・「私大800語~1200語長文対策」

・10月・・・「公募推薦対策」

・9月・・・「私大600語~800語長文対策」

・8月・・・「センター・私大(~600語)長文対策」

・6月~7月・・・内容一致対策

・4月~6月・・・精読演習

こんな感じで決めていきます。

3.テーマの設定

長文を扱うにしても、設問の種類はバラバラです。

・内容一致

・適語補充

・和訳

・整序

それぞれの時期に合わせて問題をチョイスしていきます。

4.問題の配列

「基礎⇒標準⇒応用」と並べることが多いですが、

受験直前期となると「応用⇒標準⇒基礎」に変えることもあります。

後者の方が、「達成感」が得られやすいからです。

ただし、後者にするかどうかはそのクラスの状態を見て最終的に判断します。
上記以外にも、いろいろと考えなければならないことがありますが、

とにかく「準備」「分析」「時間」が必要です。

なぜ塾の先生は一般的に授業がうまいのか(5)-教材の使い方ー

こんにちは。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

今月に入ってから、春休みから1学期にかけて使う英語の教材を作成しています。

新しく持つクラス、これまで担当してきたクラスなどを念頭におき、

教材作りをしております。

「教材作り」については明日のブログで伝えますが、

今日は「教材の使い方」について述べたいと思います。

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■教材の使い方

(1)意図は何なのか

教材を最初に手にしたとき、もちろん中身を確認します。

・どんな単元があるのか

・構成はどうなっているのか

・レベルはどのくらいなのか

・ページ数はどれだけあるのか

上記以外に、私が大切にしているのは「教材作成者の意図」です。

いくらIT機器が発達したとはいえ、問題の選定は機械任せはできません。

最期の校正で必ず作成者自身が再度目を通すはずです。

そのため教材には「作者の思い」が入り込みます。

・いったい作者はどのような意図でこの教材を作ったのか

それを付随の資料や、塾スタッフ、作成者本人から確認をします。

良い塾だと「時期に応じたテーマ」があります

例えば・・・

「最終的にはこの学年には京大・阪大・神大レベルに持っていきたい。

しかし、今のこの子たちは、まだそこまでいけるレベルではない。

さらに、春は新入生がたくさん入塾します。新入生は今まで部活を中心に

してきたのでそこまで勉強はできていません。だから、基礎的なことを中心に

指導してあげてください。『英語っておもろいなあ』そう感じさせてあげてください」

のように塾の思いを伝えてくれます。

そして、「塾のテーマ」×「テキスト作成者の意図」×「生徒たちの力」×「私の授業力」

が絡み合って授業が成立するのだと私は思います。

(2)何を教えないか

授業において、先生の力量が求められるのが「何を教えないか」です。

もう一度言います。

「何を教えないか」

です。

つまり、「教える内容」と「教えない内容」の線引きができるかどうかが先生の力量の1つです

・このクラスのレベルならば「ここまで教えよう」

・このクラスは「ここを教えるよりは、こっちに時間をかけたい」

など、クラスや個人に応じて問題を選別できるかどうかです。

学力的に厳しいクラスに「新しい情報」を伝えすぎるのは消化によくありません。

生徒が1段ずつ階段を登れるように授業の設定をしてあげなければなりません

(3)問題の優先順位をつける

次は「教える問題」にスポットライトを当てます。

ここに大問1があって、そこに小問が(1)~(10)まであるとします。

そしてその10個は必要なので教えると仮定します。

あなたはその10個に対して優先順位をつけられますか。

つまり、その10個の重要度が分かりますか。

過去の入試問題などを研究していると、

・良く出る問題

というのがあります。

また、

・過去の生徒たちがつまづいた問題

というのがあります。

だから、(1)~(10)まで教えるにしても、

講師の側が重要度(優先順位)が分かっていれば、

「(3)は○○大で出題されたもの。何度も似た問題が出る重要なやつだ!」

と声のトーンを高くし、生徒たちにアピールできます。

そうすると生徒もこの問題に対する意識がグッと上がります。

勉強熱心な先生ほど多くの気づきがあるものです。

塾の先生はなぜ一般的に授業がうまいのか(3)-何を教えるのか-

 

おはようございます。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

昨日、ある方からこんな質問をされました。

「子どものやる気を出させるためにはどうすればいいですか」

さて、あなたならばどのように答えますか。

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■その科目を教えるだけでいいってもんやないやろ!

(1)私はランナーであり、トレーナー

私は2年前までは英語の先生でした。

しかし、今の私は英語の先生でありません。

子どもと一緒に走るランナーであり、子どもの能力を引き出すトレーナーです。

その手段の1つとして英語があるにすぎません。

(2)テキストを教えるのではない

私はテキスト「を」教えません。テキスト「で」教えます

どういうことか理解できますか?

テキストという題材を用いて、問題以上のことを伝えます

例えば、英文の裏に隠された「文化」「歴史」「考え方」などです。

英語嫌いでも、歴史に興味がある子がいれば、

「歴史」が入り口となって英語に興味を持ってくれるかもしれません。

英語嫌いでも、英語が持つワールドワイドな力を知れば、

「世界で働きたい」と思って英語に興味を持ってくれるかもしれません。

(3)授業よりも授業以外

80分の授業で賢くなんかなりません。

80分の授業なんて「きっかけ」にしかすぎません。

その80分で「何を伝えるか」が先生の力ではないでしょうか。

80分以外で勉強にもっと取り組めるようにどう先生が話をするのか。

どのようにして子どものやる気を引き出すのか。

それを考えるのが先生の仕事であり、先生という仕事の魅力だと私は考えています。

だから、生徒を出迎えること、生徒を送り出すこと、休憩時間のコミュニケーションがとても大事です。

生徒の様子を授業以外でも観察する。

何気ない一言を聞きもらさない。

子どもとの距離を縮め、子どもが何に関心があるのかを見つける。

子どもを褒めるポイントを見つけ、子どもの変化を見抜く。

そんな力量が先生に求められていると私は思います。

生徒の話をよくする塾は、とても集客できている塾です。

仕事の話しかしない塾は、いずれは衰退するかもしれません。

塾の先生はなぜ授業が一般的にうまいのか(1)-私が考える授業力とは?-

 

おはようございます。
WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

このブログを読んでいただいている方に質問です。

あなたが思い出に残っている授業とはどんな授業ですか?

学校の授業、塾の授業、それ以外の習い事の授業、何でも構いません。

■私が考える授業力とは?

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⑴実力のつく授業

私は「授業力=実力のつく授業」だと考えています。

実力がついた!
達成感がある!
どんどん問題が解けるようになった!
問題の本質が見えた!
この問題はあの問題がベースになっているのが感じられた!
勉強って意外に役に立つかも!
新たな壁がでてきたぞ。この壁を乗り越える方法を編み出そう!
この方法がダメでもあの方法があるやん!
勉強って奥が深いなあ!

こんなふうに子どもたちに感じてもらえるように自分自身も実践と反省の繰り返しです。

⑵分かりやすいのは当たり前

「分かりやすい授業」をするのは当たり前です。それは先生という職業についた以上は最低限のスキルです。

しかし、「分かりやすい授業」=「実力がつく授業」ではありません。

なぜなら「分かりやすい授業」は最低限やるべきことをやっている授業だからです。

⑶実力がつく授業にするには?

一般的に塾の先生の授業はうまいです。しかし、それでも子どもに実力をつけさせているのかどうかは分かりません。

では実力がつく授業にするためにはどうすればいいのでしょうか?

今後、この内容に関して一つずつ紐解いていきたいと思います。

 

塾の先生はなぜ授業が一般的にうまいのか

おはようございます。WEST-TOTAL-EDUCATIONの西です。

今日から「塾の先生はなぜ授業が一般的にうまいのか」をテーマにブログを綴っていきます。

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まずは、テーマ一覧です。

(1)私が考える授業力とは?

(2)授業は対話である

(3)その科目を教えるだけでいいってもんやないやろ

(4)先生には明確な方針がありますか

(5)教材の使い方

(6)教材の作り方

(7)小テストの作り方

(8)授業以外でどんなコミュニケーションをとるのか

(9)そのクラスを担当していない先生の役割

(10)誰を当てるか、なぜ当てるか

(11)授業で何を見ているか

(12)学力がバラバラなクラスを担当する場合に何を心がけるか

以上のテーマで、明日からブログを綴ってまいります。